こんにちは!くるです!
今回はフリップフロップの1つ「Dフリップフロップ」について分かりやすく解説していきます。
Dフリップフロップの概要
まずは、簡単にDフリップフロップについて説明していきます。
Dフリップフロップとは、「$D$」という1つだけの入力を持ち、「$Q$」と「$\bar{Q}$」の2種類の出力を持つ回路です。
「D」は「Delay(遅延)」の頭文字を取ったもので、「Dフリップフロップ」は「遅延フリップフロップ」という意味だったりします。
遅延の意味についてはこの記事の最後の「タイムチャート」に関するところを読んでください。
具体的に見ていきましょう。

真理値表
まずは、Dフリップフロップの真理値表です。
Dフリップフロップは次のような真理値表となっています。

入力が「0」なら出力も「0」、入力が「1」なら出力も「1」になるというとてもシンプルな回路です。

簡単っすね!
回路図
Dフリップフロップ回路は、Dラッチ回路というDフリップフロップ回路の親戚みたいなものを2つ使って構成されます。
以下がその回路図ですが、他のフリップフロップと比べてかなり面倒くさい回路図になります。

これを記号化したものが次の図で、この記号があったら、「上の図のような回路のことなんだな~」と思ってください。

この記事では中身について考察するため、1つ目の図を使います。
回路図を読み解く
上の回路図が本当に真理値表通りのものなのかを確かめてみましょう。

➀ $D=0$のとき
$D=0$のときは、真理値表では現状態$Q$を「0」に「リセット」となっていました。
各値の初期状態は次の図のようになります。

ここから、$CK=1$とすると、各値は次の動画のような変化をします。音は出ないので安心してください。
NANDは「2つの入力が共に1のときのみ0を出力する回路」です!

様々な場所の値が変化しますが、$Q$は現状態から変わらず、「0」のまま「保持」されます。
各値の初期状態は次の図のようになります。

ここから、$CK=1$とすると、各値は次の動画のような変化をします。
$Q$が「1」から「0」に変わっています。
よって、現状態$Q$が「0」でも「1」でも、$D=0$のときは、$CLOCK$が入ると、現状態$Q$が「リセット」されます。

$J=0, K=0$のときは真理値表通りの動きをするってことっすね~
$D=1$のとき
$D=1$のときは、真理値表では現状態$Q$を「1」に「セット」となっていました。
各値の初期状態は次の図のようになります。

ここから、$CK=1$とすると、各値は次の動画のような変化をします。
$Q$が「0」から「1」に変わっています。
各値の初期状態は次の図のようになります。

ここから、$CK=1$とすると、各値は次の動画のような変化をします。結構ややこしいので、動画を止めて考えてみてください。
様々な場所の値が変化しますが、$Q$は現状態から変わらず、「1」のまま「保持」されます。
よって、現状態$Q$が「0」でも「1」でも、$D=1$のときは、$CLOCK$が入ると、現状態$Q$が「0」に「セット」されます。

$D=1$のときも真理値表通りの動きをしているということですね。
タイムチャート
Dフリップフロップを立ち上がりエッジトリガ方式で動かしたときのタイムチャートは次のようになります。

さて、タイムチャートにおいて、$D$が「1」になった後$Q$が「1」に、$D$が「0」になった後$Q$が「0」になっていることが分かるでしょうか?
この「$D$の値が”遅れて“$Q$に伝わる」という性質から、D(Delay)フリップフロップと呼ばれているのです。
今回はここまで!
フリップフロップについて簡単にまとめた記事もあるので、気になる方はぜひ!
お疲れ様でした!

大学の教科書よりもはるかに分かりやすい参考書を調査してまとめてみました。良かったら参考にしてください。