逆行列の求め方&求まる理由【掃き出し法編】

分かりやすい逆行列

こんにちは、くるです。今回は

逆行列って…何?

という方のために「掃き出し法による逆行列の求め方と求まる理由」を説明します。

逆行列とは?

ある$n×n$正方行列$A,B$と$n×n$単位行列$E$が

$$AB = BA = E$$

という式を満たす時、行列$B$を行列$A$の逆行列と呼びます。

例えば、$2×2$正方行列$A = \begin{bmatrix} 1 & -1 \\ 2 & -3 \end{bmatrix}$の逆行列$B$は

より、$B=\begin{bmatrix} 3 & -1 \\ 2 & -1 \end{bmatrix}$です。

なぜ逆行列というのか

例えば、$2×\frac{1}{2} = 1$において、「掛け合わせたら$1$になる」ことから$\frac{1}{2}$のことを$2$の「逆数」といいますよね。

それと同じような考えで、行列$A×$行列$B = $単位行列$E$のように「掛け合わせたら単位行列」になるものを「逆行列」と呼ぶと決めたのです。

逆行列の求め方を説明します!

先生
先生

逆行列の求め方

この記事では「掃き出し法」による逆行列の求め方を説明します。(掃き出し法とは?

先ほど例に出した

$$\begin{bmatrix} 1 & -1 \\ 2 & -3 \end{bmatrix}$$

の逆行列を求めてみましょう。

【ステップ1】右側に単位行列を連結させる

図のように、逆行列を求めたい行列の右側に単位行列を連結させます。

「いきなり何それ?」と思うかもしれませんが耐えてください。一通り見れば分かるようになります。

【ステップ2】簡約化

行列全体を簡約化します。連結した単位行列も一緒に簡約化することに注意してください。

【ステップ3】左側の単位行列を分離する

ステップ2の最後の行列の左側の単位行列を分離します。そして、残った以下の行列が求めたかった逆行列です。

$$\begin{bmatrix} 3 & -1 \\ 2 & -1 \end{bmatrix}$$

くるる
くるる

計算自体は結構簡単っすね~

慣れればかなり速く逆行列を求めることが出来るようになりますよ。

なぜ逆行列が求まるのか?

何でこんな計算で逆行列が求まるのか分からないよ~(泣)

そう思っている方も多いはずなので、詳しく解説します!

行基本変形は行列の掛け算で表すことができる

まずはここの内容を絶対に理解してください。

実は、「行基本変形は行列の掛け算で表すことが出来る」のです。行基本変形は以下の3つの操作のことです。

行基本変形

・ある行を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)
・行を入れ替える
・ある行に他の行の$c$倍を加える

それぞれの行基本変形に対して、「行基本変形は行列の掛け算で表すことが出来る」とはどういう意味なのかを説明します。

行基本変形の詳しい解説

ある行を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)

ある行を$c$倍する」という行基本変形は「単位行列の行を$c$倍した行列を左から掛ける」ことと同じです。

例えば、「1行目を2倍する」なら次の通り。

行を入れ替える

行を入れ替える」という行基本変形は「入れ替えたい行を入れ替えた単位行列を左から掛ける」ことと同じです。

例えば、「1行目と2行目を入れ替える」なら次の通り。

ある行に他の行の$c$倍を加える

ある行に他の行の$c$倍を加える」という行基本変形は「加えたい行に加える行を$c$倍して加えた単位行列を左から掛ける」ことと同じです。

例えば、「1行目に2行目の2倍を加える」なら次の通り。

以上が「行基本変形は行列の掛け算で表すことが出来る」の説明になります。

まだよくわからないかもしれませんが、実はやってることは当たり前のことなんです。

先生
先生

掃き出し法で逆行列が求まる理由

さて、ようやく逆行列が求まる理由の説明に入れます。

「逆行列の求め方」で先ほど例に出した以下の行列を思い出しましょう。

$$\begin{bmatrix} 1 & -1 \\ 2 & -3 \end{bmatrix}$$

この行列の逆行列を求める過程は以下の通りでした。

この過程で使われている行基本変形をそれぞれ行列の掛け算に変換すると次のようになります。

この行基本変形を表す行列を順番に掛け合わせてみましょう。すると、次のように$\begin{bmatrix} 1 & -1 \\ 2 & -3 \end{bmatrix}$の逆行列が出てきます。

つまり、先ほどの図の掃き出し法でやっていることは、行列全体に$\begin{bmatrix} 3 & -1 \\ 2 & -1 \end{bmatrix}$を掛けることと同じで、右側を単位行列にしているから掛けた逆行列がそのまま出てくるわけです。

これが掃き出し法で逆行列が求まる理由です。

くるる
くるる

なんだか難しいっすね…

1つ1つ理解していけばきっと理解できるので頑張ってください!

先生
先生

逆行列を持たないパターン

最後に逆行列を持たないパターンを2つ紹介しておきます。

正方行列じゃないとき

正方行列とは「行と列の数が同じ」行列のことで、正方行列でない行列には逆行列がありません。

例えば、以下のような行列は逆行列を持ちません。

$$\begin{bmatrix} 2 & 5 \\ 1 & 2 \\ 3 & 0 \end{bmatrix} \quad \begin{bmatrix} 1 & 0 & 2 & 2 \\ 2 & 3 & 0 & 4 \\ 2 & 1 & 3 & 3\end{bmatrix}$$

行列式が0になるとき

まだ習っていないかもしれませんが、行列式というものが$0$になる行列にも逆行列はありません。例えば、以下のような行列です。

$$\begin{bmatrix} 1 & 3 \\ 2 & 6 \end{bmatrix} \quad \begin{bmatrix} 4 & 2 & 3 \\ 2 & 0 & 0 \\ 3 & 0 & 0 \end{bmatrix}$$

行列式については「行列式とは何か?値の求め方も超わかりやすく解説します」をご覧ください。

まとめ

今回は「掃き出し法による逆行列の求め方と求める理由」について解説しました。

逆行列は意味が分からなくてもとりあえず求められるようになっておくべきなので、計算方法をしっかりと頭にインプットしておきましょう。

お疲れ様でした!

先生
先生
行基本変形

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