こんにちは!くるです!
今回はRSフリップフロップ回路において、

何で$S=1, R=1$は「禁止」なんだろう?
という疑問を解決するために、「RSフリップフロップが$S=1, R=1$を「禁止」としている理由」について分かりやすく解説します!
RSフリップフロップについて知りたい方は「RSフリップフロップの真理値表や回路図を分かりやすく解説!」をご覧ください。
$S=1, R=1$のときの動作を見てみよう
まずは、実際に$S=1, R=1$のときに回路の値がどのような変化をするか見てみましょう。
今回はNOR型の回路を使います。NAND型でも要点は変わりません。
さて、回路に値を表示すると、$S=1, R=1$のときは次の図のような状態になります。


あれ?$Q=0, \bar{Q}$で安定してるっすよ?
そう。「禁止」とか言われているので、不安定になるのかと思ったら、$S=1, R=1$のときでもちゃんと出力は安定するのです。
まぁ、「$\bar{Q}$は$Q$の否定なのに、$Q=\bar{Q}$になってるのはおかしいだろ!」という意見もあるとは思うのですが、今は置いておきましょう。
では、一体なぜ$S=1, R=1$は「禁止」と言われているのでしょうか?
問題は$S=1, R=1$を入力した後にあるのです。
問題は$S=1, R=1$の後
$S=1, R=1$の後に入力が$S=0, R=0$に変化したときを考えてみましょう。
入力した段階では、各値はこのような状態になります。

そして、この後の動作は2パターンあります。
実は、これこそが、$S=1, R=1$が「禁止」と言われている理由なのです。
というのも、「動作が2パターンある」ということは、「どちらか分からない」ということで、それはすなわち、「不安定な状態」であるというわけです。
そんな「不安定な状態」の回路なんて危なっかしくて使いたくありませんよね?だから、禁止なのです。
つまり、$S=1, R=1$が「禁止」というのは、正確に言えば、
ということです。
ちなみに、$S=1, R=1$の後に、$S=0, R=0$以外を入力した場合は「安定した状態」になります。
$S=0, R=1$を入力したときの動作は次の動画をご覧ください。音は出ないので安心してください。
$S=1, R=0$を入力したときの動作は次の動画をご覧ください。
今回はここまで!
フリップフロップについて簡単に説明した記事もあるので、気になる方はぜひ読んで見てください!
お疲れ様でした!

・$Q$が先に「1」になり、$Q=1, \bar{Q}=0$で安定
・$\bar{Q}$が先に「1」になり、$Q=0, \bar{Q}=1$で安定