こんにちは!くるです!今回は

べき集合が分からん!!
と嘆く方のために、分かりやすく「べき集合」について解説します。そんなに長くないので、ぜひ最後までご覧ください!
べき集合とは?
べき集合は一言で言えば「ある集合$X$の部分集合を全て集めた集合」のことです。
まずは簡単な例を見てべき集合の意味を理解しましょう。
べき集合の簡単な例
例えば、$X=\{0,1\}$という集合を考えます。
この集合の部分集合は$\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}$の4つです。
そしてべき集合はこの部分集合を全て集めた集合ですから、
$$\{\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}\}$$
という集合が$X=\{0,1\}$のべき集合です。

なるほどっす!
空集合「$\emptyset$」を忘れがちなので注意しましょう!

これがべき集合です。とにかく「部分集合を全て拾い上げて1つの集合を作る」ということを覚えておきましょう。
べき集合の要素の数
べき集合の要素の数は必ず「$2$のべき乗個」になっています。これが”べき“集合と呼ばれる理由です。次の表を見ると分かると思います。

$X=\emptyset$のべき集合が少し特殊なので注意してください。
べき集合の表し方
集合$X$のべき集合は$2^X$という表し方をします。
ここで、「$2^X$?指数が集合のべき乗ってどうやって計算するの???」と思うと思いますが、違います。
この$2^X$は我々が良く知っている「$2$の$X$乗」という意味ではなく、「$X$のべき集合を$2^X$と表すよ!」と決めてあるだけなのです。
ではなぜ$2^X$と表すのかと言うと、先ほど説明したように要素数が「$2$のべき乗個」になるからです。
あんまり深い意味を考える必要はありません。

例えば、$X=\{0,1\}$のべき集合の場合、$2^X=\{\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}\}$と書きます。
また、$2^{\{0,1\}}$を計算せよと言われたら、$2^{\{0,1\}}=\{\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}\}$というように書くのです。
べき集合のべき集合
少し難しい例として「べき集合のべき集合」があります。例えば次のようなものです。
$$2^{2^{\{0,1\}}}$$
この問題の解き方を説明します。
ステップ1 指数部分のべき集合を計算する
指数の$2^{\{0,1\}}$というべき集合を最初に計算します。
$$2^{\{0,1\}}=\{\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}\}$$
です。
ステップ2 ステップ1で求めた集合の部分集合を全て書き出す
集合$\{\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}\}$の部分集合を全て書き出します。アホみたいに面倒くさいですが頑張りましょう。
$\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}$の4つが要素だとしっかり理解するのが大切です。$\{0\}$で1つの要素です。
部分集合を要素数ごとにまとめたものが次の表になります。


なんすかこれ…
1つ1つしっかりと確認しておきましょう!

ステップ3 ステップ2で求めた部分集合を全て集めた集合を作る
ステップ2の結果より、$2^{2^{\{0,1\}}}$は以下のようになります。

まとめ
簡単に最後に要点をまとめておきます。ここに書いてあることを全て覚えておけばテストはバッチリです!
お疲れ様でした!

・べき集合は「ある集合$X$の部分集合を全て集めた集合」のこと
・$X=\{0,1\}$のべき集合は$\{\emptyset, \{0\}, \{1\},\{0,1\}\}$
・べき集合の要素数は「$2$のべき乗個」
・集合$X$のべき集合は$2^X$と表される