【離散数学】反射律・対称律・推移律を分かりやすく解説!

反射律対称律推移律

こんにちは!krです!

「関係」のところで出てくる「反射律・対称律・推移律」ってなんだか良くわからないですよね。僕も習いたての頃は「何が反射なんだよ!推移も意味分からん!そもそも$R$って何なんだ!」とイライラしながら勉強していたのを覚えています。

今回はそんな過去の僕と同じ境遇の悩める方たちのために、「反射律・対称律・推移律」について簡単な例を使って分かりやすく解説していきます。

関係について理解しないといけないので、まだあまり理解できていない方は「二項関係って何だろう?簡単な例で分かりやすく解説!」をご覧ください。

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はじめに

教科書を見ると関係$R$というのが何回も出てくると思います。

まずはこの関係$R$を定義することから始めます。例えば、次のような集合$A$を考えてください。

$$A=\{佐藤君, 鈴木さん, 高橋君\}$$

そして、「〇〇と〇〇は同じクラスだ」という文を関係$R$としましょう。

すなわち、「佐藤君$R$田中さん」は「佐藤君と鈴木さんは同じクラスだ」という意味を表すということです。

まずはここをしっかり理解しましょう!

先生
先生

反射律

全ての$a \in A$に対して$aRa$が成り立つとき、関係$R$は反射的である

というのが反射律の定義です。

反射律の意味

今は「〇〇と〇〇は同じクラスだ」という文を関係$R$としていたので、$aRa$は例えば「佐藤君と佐藤君は同じクラスだ」という意味になります。

この文は違和感こそあるものの、間違ってはいません。鈴木さん、高橋君でも同じことが言えます。

よって、全ての$a \in A$に対して、$aRa$が成り立つと分かったので、「〇〇と〇〇は同じクラスだ」という関係$R$は「反射的である」といえます。

「佐藤君と佐藤君」のように、同じ言葉を二回繰り返すことから「反射」と呼ばれると考えるといいでしょう。

くるる
くるる

なるほどっすね!

対称律

全ての$a, b \in A$に対して$aRb \Rightarrow bRa$が成り立つとき、関係$R$は対称的である

というのが対称律の定義です。

対称律の意味

例えば、$a$=佐藤君、$b$=鈴木さんとしましょう。すると、

$aRb$ = 佐藤君と鈴木さんは同じクラスだ

$bRa$ = 鈴木さんと佐藤君は同じクラスだ

となり、$aRb \Rightarrow bRa$は

となります。これは間違いなく正しいはずです。$a, b$の組み合わせを変えても必ず正しい文になります。

よって、全ての$a, b \in A$に対して$aRb \Rightarrow bRa$が成り立つと分かったので、「〇〇と〇〇は同じクラスだ」という関係$R$は「対称的である」といえます。

「佐藤君と鈴木さん」と「鈴木さんと佐藤君」というような対称性から「対称律」と呼ばれると考えるのが良いと思います。

ポンタ
ポンタ

なるほどねぇ~

推移律

全ての$a,b,c \in A$に対して、$aRb$ かつ $bRc \Rightarrow aRc$が成り立つとき、関係$R$は推移的である

というのが、推移律の定義です。

推移律の意味

例えば、$a$=佐藤君、$b$=鈴木さん、$c$=高橋君としましょう。すると、

$aRb$ = 佐藤君と鈴木さんは同じクラスだ

$bRc$ = 鈴木さんと高橋君は同じクラスだ

$aRc$ = 佐藤君と高橋君は同じクラスだ

となり、$bRc \Rightarrow aRc$は

となります。これも自然な文で、よく三段論法と言われているやつですね。これは$a,b,c$の組み合わせを変えても正しい文になります。

よって、$a,b,c \in A$に対して、$aRb$ かつ $bRc \Rightarrow aRc$が成り立つと分かったので、「〇〇と〇〇は同じクラスだ」という関係$R$は「推移的である」といえます。

「佐藤君と鈴木さん」、「鈴木さんと高橋君」の関係が「佐藤君と高橋君」の関係に推移することから「推移律」と呼ばれます。

以上が「反射律・対称律・推移律」の説明になります!

先生
先生

同値関係

さて、「反射律・対称律・推移律」の説明が終わったわけですが、実はこの3つの性質を満たすような関係$R$のことを「同値関係」といいます。

つまり、「〇〇と〇〇は同じクラスだ」という関係は「同値関係」なのです。意味合い的には「等しい」という概念と同じです。

ただ、「~~という関係においては等しい」というように、「どのような条件化で等しいのか」をハッキリさせないといけません。

例えば、「〇〇と〇〇は同じクラスだ」という同値関係は、「同じクラスという関係においては等しい」わけです。

だから、「佐藤君と鈴木さんは同じクラスだ」という文があったとすると、これは決して「佐藤君は鈴木さんと等しい」というわけではなくて、「佐藤君は鈴木さんと同じクラスという関係においては等しい」ということです。

難しい!(笑)

まとめ

「反射律・対称律・推移律」は恐らく一回読んだだけでは理解できる概念ではありません。何回も読み直して「関係」という概念についてちゃんと理解することで初めて意味が分かるようになります。

理解を早めるには身近な例で考えてみるのが一番です。数式で考えると何だか良く分からなくなります。

ぜひとも頑張って「反射律・対称律・推移律」をマスターしてください!

二項関係

お疲れ様でした!

先生
先生
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