【離散数学】「最大最小・極大極小・上界下界・上限下限」を分かりやすく解説!

上界下界

こんにちは!くるです!

今回は離散数学における「最大最小・極大極小・上界下界・上限下限」について簡潔に説明していきます。

ハッセ図を使って説明するので、「ハッセ図が分からないよ~」って方はこちらの「【離散数学】ハッセ図とは?書き方を分かりやすく解説!」で概要を掴んでください!

この記事のまとめ

最大 / 最小 = 他の要素が全て自分より「下/上」にある要素

極大 / 極小 = 他の要素が自分より「上/下」にない要素

上界 / 下界 = 自分もしくは自分よりも「上/下」にある要素の集合

上限 / 下限 = 上界の中で最小の要素 / 下界の中で最大の要素

初めに

「最大最小・極大極小・上界下界・上限下限」についてこれから説明していくわけですが、これらは集合の要素が「数字」であるか「集合」であるかで大きく考え方が変わってきます。

例えば、{1,2,3}という数字の集合の場合、最大や極大を求めることは容易いでしょう。最大は3で極大も3です。

しかし、{{1}, {1,2}, {1,2,3}}という集合の集合の場合は、最大や極大の概念が少し分かりづらいです。

そのため、集合の要素が「数字」である場合と、集合の要素が「集合」である場合の2パターンに分けて「最大最小・極大極小・上界下界・上限下限」を解説します。

まずは、要素が数字の場合について考えてみましょう。

先生
先生

要素が数字の場合

次のハッセ図を見てください。

いきなりですが、このハッセ図における「最大最小・極大極小」を何となくでいいので考えてみてください。

分かりましたか?正解は次の図になります。

では、最大最小、極大極小について説明していきます。

最大最小

最大は「他の要素が全て自分より下にある要素」のことです。
逆に最小は「他の要素が全て自分より上にある要素」のことです。

ここで注意が必要なのが、「線で繋がれていない要素同士は比べることができない」という点です。

今回の例で言えば、ぱっと見「8」が最大になりそうな気もしますが、「6」「5」「7」とは直接線が繋がっていないので、どちらが上かを決めることが出来ません。

そのため、最大は「なし」で、最小は他の要素が全て自分より上にある「1」になります。

くるる
くるる

なるほどっす!

極大極小

極大は「他の要素が自分より上にない要素」のことです。
逆に極小は「他の要素が自分より下にない要素」のことです。

ここでも「線で繋がれていない要素同士は比べることができない」という点に注意しましょう。「8」は一見「6」「5」「7」よりも上にあるように見えますが、線で繋がれていないので、どちらが上かは決定することが出来ません。

そのため、極大は他の要素が自分より上にない「8,6,5,7」の4つであり、極小は他の要素が自分より下にない「1」になります。

最大最小と違い、極大極小は1つだけではないことに注意しましょう!

先生
先生


それでは次は「上界下界・上限下限」について説明していきます。

またいきなりですが、先ほどと同じハッセ図において、「2」の上界下界、またその上限下限を考えてみてください。

分かりましたか?正解はこちら!

それでは、上界下界、上限下限について説明していきます。

上界下界

上界下界は「何を基準に」上界なのか下界なのかをハッキリさせないといけません。
今回の例では「2」が基準です。

さて、上界は「自分もしくは自分よりも上にある要素の集合」です。
逆に下界は「自分もしくは自分よりも下にある要素の集合」です。

だから、「2」を基準にすると「2,4,6,8」が「2の上界」となります。
同じように、「2,1」が「2の下界」になります。

ポンタ
ポンタ

何となく分かったよ!

上限下限

上限は「上界の中で最小の要素」です。
下限は「下界の中で最大の要素」です。

上限下限は言葉の響きだけだと、「上限=上界の最大の要素」「下限=下界の最小の要素」と勘違いしてしまいますが、そうではないことに注意してください。

さて、上界の集合「2,4,6,8」の中で最小なのは「2」なので、上限は「2」です。
また、下界の集合「2,1」の中で最大なのは「2」なので、下限も「2」です。

ここで、

基準の数字が上限かつ下限ってことね!

と思うかもしれませんが、実は違うのです。

例えば、$\{2,4\}$という数字の集合を基準に上界下界を考えると、次のようになります。

これを見れば分かりますが、上限の数字と下限の数字は異なります。

つまり、上限は「基準の集合の中で最大の要素」、下限は「基準の集合の中で最小の要素」と考えるとそのままの意味で捉えることが出来るでしょう。

それでは要素が集合の場合を説明します!

先生
先生

要素が集合の場合

要素が集合でもハッセ図を使って考える限り、考え方は同じです。ただ、「集合の最大最小って何だ?」と思う方がいると思うので、そういうところを重点的に説明していきます。

では、またまたいきなりですが、次のハッセ図の中で最大最小・極大極小のものはどれでしょうか?

答えはこちら!

ちなみに、このハッセ図は「$\subset$」という関係のハッセ図です。$\{a\} \subset \{a,b\}$だから$\{a,b\}$は$\{a\}$よりも上にあるのです。

最大最小

最大は単純に「他の要素が全て自分より下にある要素」のことです。
逆に最小は「他の要素が全て自分より上にある要素」のことです。

だから、最大は「$\{a,b,c\}$」、最小は「$\phi$」となります。

「集合に最大最小なんてあんのか!?」と思うかもしれませんが、今回の例では「$\subset$」という関係において、「$A \subset \cdots \subset B$」という関係が成り立つような、全ての集合に含まれる$A$を最小、全ての集合を含む$B$を最大と呼んでいるのです。

単純な「大小」という意味とは少し違うことに注意しましょう。

先生
先生

極大極小

極大は「他の要素が自分より上にない要素」のことです。
極小は「他の要素が自分より下にない要素」のことです。

そのため、「$\{a,b,c\}$」が極大、「$\phi$」が極小になります。

これも「集合に極大極小なんてあんのか!?」と思うかもしれませんが、ハッセ図の枝の先端を極大、根本の先端を極小と呼ぶと決めてあるだけで、数学の微積などで使われている「極大極小」とは少し意味が違うので注意が必要です。

くるる
くるる

何だかややこしいっすね~


それでは次は「上界下界・上限下限」について説明していきます。

またいきなりですが、先ほどと同じハッセ図において、$\{a,b\}$の上界下界、またその上限下限を考えてみてください。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-43.png

答えはこちらです!

それでは詳しく解説します!

上界下界

要素が数字だけの時と同じように、まずは何を「基準」とするかを決めなければなりません。
今回は「$\{a,b\}$」が基準ですね。

さて、上界は「自分もしくは自分よりも上にある要素の集合」です。
逆に下界は「自分もしくは自分よりも下にある要素の集合」です。

なので、「$\{a,b\}$」の上界は「$\{a,b\}, \{a,b,c\}$」、下界は「$\{a,b\},\{a\},\{b\},\phi$」となるわけです。

今、「$\subset$」という関係を考えているので、この関係上では「上界=自分を含んでる要素の集合」、「下界=自分が含んでる要素の集合」というように考えると分かりやすいかもしれません。

先生
先生

上限下限

上限は「上界の中で最小の要素」です。
下限は「下界の中で最大の要素」です。

ということは当然、「$\{a,b\}$」が上限かつ下限になりますね。

要素が数字だけの場合でも言いましたが、「基準の数字が上限かつ下限」とは限らないことに注意してくださいね。

まとめ

今回の内容を簡単にまとめました。頑張って4つの概念の区別を付けられるようになりましょう!

この記事のまとめ

最大 / 最小 = 他の要素が全て自分より「下/上」にある要素

極大 / 極小 = 他の要素が自分より「上/下」にない要素

上界 / 下界 = 自分もしくは自分よりも「上/下」にある要素の集合

上限 / 下限 = 上界の中で最小の要素 / 下界の中で最大の要素

シェアしてね!

2件のコメント

「要素が数字の場合」のハッセ図の最大が8だというのは正しくないように思います(この図では8と6などは比較できないので)。「この図の順序について、最大元はない」が答えだと思います。
最大元は「皆が自分より下にいる」元であり、極大元は「誰も自分より上にいない」元だとイメージすると分かりやすいです。

また、集合の包含関係は $\in$ ではなく $\subset$ です。

アークトゥルスさん

ご指摘ありがとうございます。修正致しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です