一次独立か一次従属かを判定する方法を例題を使って解説!

一次独立・一次従属を判定する方法

こんにちは、くるです。今回は「一次独立かどうかを判定する方法」を例題を用いて解説します。

一次独立と一次従属の知識がある人向けの記事になっているので、もし一次独立と一次従属についてあまり出来ていない場合は以下の記事を先にご覧になってください。

一次独立・一次従属

一次独立か一次従属かを判定する方法

ベクトルが一次独立か一次従属かを判定するには、以下の事実を利用します。

あるベクトルが他のベクトルの一次結合で表せるなら「一次従属」、表せないなら「一次独立」

早速、例題を見てみましょう。

例題1

例題1

次のベクトルは一次独立・一次従属のどちらか述べよ。

$$\boldsymbol{a_1}=\begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix}, \boldsymbol{a_2}=\begin{pmatrix} 0 \\ 3 \end{pmatrix}$$

解答

まず、左辺をベクトルの一次結合、右辺を$\boldsymbol{0}$とした式を作る。

$$c_{1}\begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix}+c_{2}\begin{pmatrix} 0 \\ 3 \end{pmatrix}=\boldsymbol{0}$$

この式の解が$c_{1}=c_{2}=0$だけに限るかどうかを調べれば一次独立・一次従属のどちらか判定できる。

$c_{1},c_{2}$は

$$\begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 1 & 3 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} c_{1} \\ c_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} \quad(1) $$

という連立方程式を解くことで求められるから、係数行列簡約化すると、

$$\begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 1 & 3 \end{pmatrix} \rightarrow \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} \quad (2) $$

したがって、

$$\begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} c_{1} \\ c_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} $$

となるので、解は$c_{1}=c_{2}=0$だけに限る。

よって、$\boldsymbol{a_1},\boldsymbol{a_2}$は一次独立である。

解説

一次独立か一次従属かを判定する問題では、最初に「$c_{1}\boldsymbol{a_{1}}+c_{2}\boldsymbol{a_{2}}+ \cdots + c_{n}\boldsymbol{a_{n}}=\boldsymbol{0}$」という式を作るのが鉄則です。

なぜこの式を作るかというと、あるベクトルが他のベクトルの一次結合で表せるなら「一次従属」、表せないなら「一次独立」だからです。

つまり、もしこの式の解が$c_{1}=c_{2}= \cdots = c_{n}=0$に限る場合、

$$\boldsymbol{a_1}=-\frac{c_2}{c_1}\boldsymbol{a_2}-\frac{c_3}{c_1}\boldsymbol{a_3}- \cdots -\frac{c_n}{c_1}\boldsymbol{a_n}$$

という式変形が出来ません(分母が$0$になるから)。他の$\boldsymbol{a_2},\boldsymbol{a_3}$もそうですよね。

この場合、あるベクトルが他のベクトルの一次結合で表せないので「一次独立」と判定できるというわけです。

そして、$c_{1}=c_{2}= \cdots = c_{n}=0$かどうかを調べるには、$(1)$のような連立方程式を作って、簡約化で解けば良いですよね。

もし、上記のことを理解しているのならば、

$$\begin{pmatrix} 2 & 0 \\ 1 & 3 \end{pmatrix} \rightarrow \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix}$$

というような簡約化を行うだけで、一次独立・一次従属かを判定することもできるのですが、テストだとちゃんと書いた方が良いかもしれません。

例題2

例題2

次のベクトルは一次独立・一次従属のどちらか述べよ。

$$\boldsymbol{a_1}=\begin{pmatrix} 1 \\ 2 \end{pmatrix}, \boldsymbol{a_2}=\begin{pmatrix} 2 \\ 4 \end{pmatrix}$$

解答

$$c_{1}\begin{pmatrix} 1 \\ 2 \end{pmatrix}+c_{2}\begin{pmatrix} 2 \\ 4 \end{pmatrix}=\boldsymbol{0}$$

とおく。これを変形すると、

$$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 4 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} c_{1} \\ c_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} \quad(1) $$

となる。左辺の係数行列を簡約化すると、

$$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 4 \end{pmatrix} \rightarrow \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}$$

したがって、

$$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 0 & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} c_{1} \\ c_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}$$

となるので、$c_{2}=C \ (C \in \boldsymbol{R})$とすると、$c_{1}=-2C,c_{2}=C$となり、解は無限に存在する。

よって、$\boldsymbol{a_1},\boldsymbol{a_2}$は一次従属である。

解説

基本的な指針は例題1と変わりません。

今回の問題では簡約化によって、

$$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 4 \end{pmatrix} \rightarrow \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 0 & 0 \end{pmatrix}$$

という行列になったので、連立方程式の解は$c_{1}=c_{2}=0$だけに限らないということが分かりました。だから、「一次従属」なんです。

係数行列の階数と変数の数を見ることで判定することもでき、「係数行列の階数 $\neq$ 変数の数」の場合、一次従属です。

今回の例では階数が$1$で、変数の数が$2$なので、一次従属と判定できるわけです。

例題3

例題3

次のベクトルは一次独立・一次従属のどちらか述べよ。

$$\boldsymbol{a_{1}}=\begin{pmatrix} 3 \\ 1 \\ 2 \end{pmatrix}, \boldsymbol{a_{2}}=\begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{pmatrix}, \boldsymbol{a_{3}}=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 2 \end{pmatrix}$$

解答

$$c_{1}\begin{pmatrix} 3 \\ 1 \\ 2 \end{pmatrix} + c_{2}\begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 1 \end{pmatrix} + c_{3}\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 2 \end{pmatrix} = \boldsymbol{0}$$

とおく。これを変形すると、

$$\begin{pmatrix} 3 & 1 & 1 \\ 1 & 2 & 0 \\ 2 & 1 & 2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} c_{1} \\ c_{2} \\ c_{3} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}$$

左辺の係数行列を簡約化すると、

$$\begin{eqnarray} \begin{pmatrix} 3 & 1 & 1 \\ 1 & 2 & 0 \\ 2 & 1 & 2 \end{pmatrix} &\rightarrow& \begin{pmatrix} 1 & 2 & 0 \\ 2 & 1 & 2 \\ 3 & 1 & 1 \end{pmatrix} \\
&\rightarrow& \begin{pmatrix} 1 & 2 & 0 \\ 0 & -3 & 2 \\ 0 & -5 & 1 \end{pmatrix} \\
&\rightarrow& \begin{pmatrix} 1 & 2 & 0 \\ 0 & 1 & -\frac{2}{3} \\ 0 & -5 & 1 \end{pmatrix} \\
&\rightarrow& \begin{pmatrix} 1 & 0 & \frac{4}{3} \\ 0 & 1& -\frac{2}{3} \\ 0 & 0 & -\frac{7}{3} \end{pmatrix} \\
&\rightarrow& \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}\end{eqnarray}$$

したがって、

$$\begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} c_{1} \\ c_{2} \\ c_{3} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}$$

となり、$c_{1}, c_{2}, c_{3}$は$c_{1} = c_{2} = c{3} = 0$に限るから、ベクトル$\boldsymbol{a_{1}},\boldsymbol{a_{2}},\boldsymbol{a_{3}}$は一次独立である。

解説

ベクトルの数が増えてもやることは変わりません。

あるベクトルが他のベクトルの一次結合で表せるなら「一次従属」、表せないなら「一次独立」ってことを調べるだけです。

まとめ

今回は「一次独立か一次従属かを判定する方法」を解説しました。

恐らく、一次独立・一次従属についてちゃんと理解していないと何をやってるか分からないと思うので、よくわからなかったという方は以下の記事を読むことをおすすめします。

一次独立・一次従属

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