目次
掃き出し法とは
例えば、次のような連立方程式があるとします。
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 3x + y + 2z = 4 \\ x + 2y – z = – 2 \\ – 2x – 3y + 2z = 1 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
この連立方程式はもちろん普通に解くことが出来るのですが、これを行列を使って求めるのが「掃き出し法」です。
なぜわざわざ行列を使うのかというと、一言で言えば、「計算が楽だから」です。というのも、連立方程式って実際には係数さえあれば計算することができます。+や=はあまり必要ありませんよね?
だから、「必要な部分だけを取り出して計算できるようにすれば、計算が楽になる!」と考えて、行列が使われるようになったのです。

掃き出し法のやり方を詳しく見ていくっすよ~~!
掃き出し法のやり方
【ステップ1】連立方程式を行列に変換する

掃き出し法の最初のステップはこの連立方程式を行列に変換することから始まります。
連立方程式を行列に変換するには数字だけを取り出せばよいのです。つまり

という行列が連立方程式を変換した行列になります。しかし、この行列を見ただけでは元の連立方程式のどこにイコールが入っていたのか分かりません。
そこで次のように、線を加えることで、元の連立方程式のイコールの場所が一目で分かるようになります。

そしてこのような、行列を拡大係数行列と言います。まずはこの拡大係数行列を作るのです。
【ステップ2】行基本変形を行う
※行基本変形が何か分からない人はこちらの「行基本変形のやり方や掛け算での表し方を簡単に解説!」の記事をご覧ください。
先ほどの拡大係数行列に行基本変形を加えます。左側の部分が単位行列になるように変形していきましょう。

ちなみにこのように左側の行列を単位行列にする変形のことを簡約化と言います。
簡約化についてさらに詳しく知りたい方はこちらの「行列の簡約化のやり方を分かりやすく解説!」の記事をご覧ください!
【ステップ3】行列を連立方程式に戻す

さて最終的にこのような行列になりました。この行列を連立方程式に戻してみると、

こうなり、解が求まりました。実際に元の連立方程式に代入してみてください。
なぜ掃き出し法で連立方程式の解が求まるのか?
なぜ掃き出し法で連立方程式の解が求まるのか分からないという方も多いかと思いますが、実際のところそんな難しい話ではありません。
結局連立方程式を解くときと同じ操作を行列にしているだけなのです。

先ほどはこの行列に行基本変形を加えたわけですが、その変形を順に連立方程式に当てはめてみましょう。

これは単に順番を入れ替えているだけなので、何も影響はありません

これは1つ目の式を2つ目と3つ目の式に代入して$x$の項を消去しています。

これは3つ目の式を5で割っているだけです。

これは2つ目の式を1つ目と3つ目の式に代入することで$y$の項を消去しています。

1つ目の式から$z$の項を消去するために3つ目の式を代入しています。
とまあこんな感じなのですが、連立方程式を普通に解くときと同じような操作をしているのが分かったでしょうか?
行列という良く分からないものを使ってはいますが、あくまでもやってることは連立方程式の計算なのです。行列という概念に囚われ過ぎてはいけませんよ!
練習問題
次の連立方程式を解け。
$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 3x + 2y + z = -1 \\ -x + 3y -2= 2 \\ 4x + y + 2z = 3 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$
今回はここまで

最後まで見てくれてありがとうございます。
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