行列の基本変形(行基本変形)を分かりやすく解説します!

行基本変形

こんにちは、くるです。今回は

行列の基本変形ってのを習ったけど意味が分からん…

という学生に向けて、行列の基本変形とは一体何なのか?どうしてこんな変形が出来るのか?を解説します!

行列の基本変形とは?

行列の基本変形とは簡単に言えば「行列を変形するときの基本的な操作」のことです。

行列の基本変形は以下の3つの操作のことを言います。

行列の基本変形

・ある行を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)
・行を入れ替える
・ある行に他の行の$c$倍を加える

1つずつ説明します。

ある行を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)

例えば、1行目を$c$倍すると、次のようになりますね。$0$倍はできません。また、列を$c$倍はできません。

行を入れ替える

例えば1行目と2行目の入れ替えは次のようになります。これも列の入れ替えはできません。

ある行に他の行の$c$倍を加える

例えば、1行目に2行目の2倍を加えると次のようになります。これも他の2つ同様、列に列を加えることはできません。


行列の基本変形はこんな感じです。でも、そもそも何でこんな操作ができるのか分からないですよね?なので、

行列の基本変形の意味やなぜこんな変形ができるのかを3ステップで説明します。

先生
先生

ただ、先に言っておくと、

です。

行列の基本変形が出来る理由の解説

【ステップ1】連立方程式の基本変形

次のような連立方程式の解を求めることを考えてみましょう。

$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x + y = 8 \\ 2x – y = 4 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$

連立方程式の基本変形とは次の3つの操作のことであり、これらを繰り返し行うことで解を求めることが出来ます。

連立方程式の基本変形

・ある式を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)
・式を入れ替える
・ある式に他の式の$c$倍を加える

恐らく、実際には「2つの式を足したり引いたりして、片方の答えが出たら代入してもう一方を求める」という感じで解いていると思いますが、今は一旦目を瞑ってください。

さて、この3つの操作で例題の連立方程式を解くと、次のようになります。

くるる
くるる

な、なんだか気持ち悪い解き方っすね…

そうなんです。でも、行列の基本変形を説明するにはこうするしかないのです。

先生
先生

とりあえずは

・ある式を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)
・式を入れ替える
・ある式に他の式の$c$倍を加える

の3つの操作で連立方程式が解けるということを理解しましょう。

【ステップ2】連立方程式を行列に変換する

さて、先ほどの連立方程式を解く過程を行列に変換してみましょう。次のようになります。

行列がまだよくわかっていないと思うので、軽く説明しておくと、次のようなものを「拡大係数行列」と呼び、簡単に言えば「連立方程式の係数だけを取り出してまとめたやつ」です。

難しいことは考える必要がなくて、「ただ係数をまとめただけ」と理解しておきましょう。

【ステップ3】行列の基本変形

さて、連立方程式を行列に変換しましたが、行列部分だけを抜き出してみましょう。

この計算の過程で行われている操作が行列の基本変形です。そして、この操作は元々連立方程式の基本変形でした。

つまり、次のような操作のことを「行列の基本変形」と呼ぶわけです。「式」を「行」に変えていますが、要は同じことです。

行列の基本変形

・ある行を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)
・行を入れ替える
・ある行に他の行の$c$倍を加える

記事の最初でこんなことを言ってましたが、なぜこんなことが言えるのか分かったでしょうか?

このように、行列の基本変形だけを見ると、どうして行列を勝手に変形出来るんだ??そもそも何で変形する意味があるの??と思うかもしれませんが、実際は「連立方程式を解くときに使う操作を行列に置き換えただけ」なんです。

お分かりいただけたでしょうか?

先生
先生

行基本変形は行列の掛け算で表せる

これは少し余談なのですが、実は行基本変形は行列の掛け算で表すことが出来るのです。(行列の掛け算とは?

3つの行基本変形にどのような行列の掛け算が対応するのか1つずつ見ていきましょう。

全て左から掛ける必要があることに注意してください。右からだと変になります。

ある行を$c$倍する(ただし、$c \neq 0$)

ある行を$c$倍する」という行基本変形は「単位行列の行を$c$倍した行列を左から掛ける」ことと同じです。

例えば、「1行目を2倍する」なら次の通り。

行を入れ替える

行を入れ替える」という行基本変形は「入れ替えたい行を入れ替えた単位行列を左から掛ける」ことと同じです。

例えば、「1行目と2行目を入れ替える」なら次の通り。

ある行に他の行の$c$倍を加える

ある行に他の行の$c$倍を加える」という行基本変形は「加えたい行に加える行を$c$倍して加えた単位行列を左から掛ける」ことと同じです。

例えば、「1行目に2行目の2倍を加える」なら次の通り。

行基本変形は行列の掛け算で表せるという意味が理解できたでしょうか?このことを線形代数を勉強する中で意識するときは少ないのですが、覚えておくと理解の幅が広がり、学習の助けになるでしょう。

まとめ

今回は行基本変形の意味やなぜ変形が出来るのかを説明してきました。

行基本変形は掃き出し法を行うときに必須の力なので、しっかりと理解しておきましょう。

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