こんにちは!krです!今回は
という方たちのために、「フーリエ級数展開は何のために考えるのか?それを使って何がしたいのか?」について簡単に説明していきます。
難しい数式は一切出てきませんので、安心してください!
・フーリエ級数展開とは「複雑な関数を三角関数の和に分解すること」
・フーリエ級数とは「三角関数が無限個繋がった式」
・フーリエ係数とは「フーリエ級数の各項の係数」
・「フーリエ係数」を求めて「フーリエ級数の一般式」に当てはめれば「フーリエ級数展開」が完成する
フーリエ級数展開の目的は何か

フーリエ級数展開って結局何が目的なのかが分かんないっす…
「複雑な関数を三角関数の和に分解する」のが目的です!

例えば、次のような関数を考えましょう。
$$y = 5sinx-2cos3x+3sin5x$$
この関数は「$y = 5sinx$, $y= -2cos3x$, $y = 3sin5x$」という3つの三角関数から出来ています。
これをグラフで表すとこんな感じになります。

今回の例の関数は簡単に三角関数の和で表すことが出来ます。だって元々三角関数なんですから。
しかし、例えば次のようなグラフの関数はどうでしょうか?

これをすぐに三角関数の和で表すことが出来ますか?……出来ないですよね?
フーリエ級数展開はこのように到底三角関数の和で表せそうもない関数さえも三角関数の和で表すことが出来るのです。つまり、
これがフーリエ級数展開の最大の目的です。

なんとなく分かった気がするっす!
フーリエ級数
さて、先ほど「$y = 5sinx-2cos3x+3sin5x$」という関数を「$y=5sinx$, $y=-2cos3x$, $3sin5x$」という三角関数の和に分解したわけですが、この分解した後の式のことをフーリエ級数と言います。

関数を「フーリエ級数」に「展開(分解)」するから「フーリエ級数展開」と呼ぶってこと?
その通り!

さて、”級数”って高校で習ったと思うのですが、「項数が無限」でしたよね?そのことを踏まえると、関数$f(x)$のフーリエ級数は一般的に次のように表されます。$a$は$n=0$のときの項です。

つまり、「フーリエ級数展開」ってのは
ということをしているわけです。「無限通りあるんだったら、どんな関数でも三角関数の和で表せるかもしれない」と思いませんか?
そして、さっきのフーリエ級数の式だと長ったらしいので、普通は$\varSigma$を使って次のように表します。教科書では$a$が$\frac{a_0}{2}$になっていると思いますが、とりあえず無視しましょう。

これがフーリエ級数の一般式です。

フーリエ係数

フーリエ級数展開の意味は分かったっすけど、実際に複雑な関数を三角関数の和に分解することなんて出来るんすか?
出来るんです!

先ほどフーリエ級数の一般式を紹介しましたが、各項の係数$a_n, b_n$を計算で求めることが出来れば、元の関数$f(x)$がどんな三角関数の和で表されるのか求めることが出来ますよね?
実はこの各項の係数$a_n, b_n$は手計算で求めることが出来るのです。
この係数のことを「フーリエ係数」といい、フーリエ係数を求めることがフーリエ級数展開の最大の山場と言えるでしょう。
つまり、フーリエ級数展開の流れは次のようになっています。
フーリエ級数展開したい関数$f(x)$がある
→フーリエ係数を求める
→フーリエ係数をフーリエ級数展開の一般式に当てはめる
→フーリエ級数展開の出来上がり
この記事ではフーリエ級数展開の概要をお伝えするだけなので、詳しい方法は解説しませんが、気になった方は「フーリエ係数とは何なのか?求め方を徹底解説!」
まとめ
今回の内容を簡単にまとめておきました。とりあえずザックリとしたイメージを持つことが出来ていればそれでOKです。フーリエ級数展開はフーリエ解析の基盤となる部分ですので、焦らずに少しずつ理解していきましょう。
・フーリエ級数展開とは「複雑な関数を三角関数の和に分解すること」
・フーリエ級数とは「三角関数が無限個繋がった式」
・フーリエ係数とは「フーリエ級数の各項の係数」
・「フーリエ係数」を求めて「フーリエ級数の一般式」に当てはめれば「フーリエ級数展開」が完成する
お疲れ様でした!

・大学でフーリエ級数展開を習ったけど、全然分からない…
・結局フーリエ級数展開って何がしたいの?
・とりあえず要点だけ説明してほしい!