矩形波のフーリエ級数展開について解説!不連続な関数についても解説してるよ!【なんとなく学ぶフーリエ解析】

フーリエ級数展開矩形波

こんにちは!くるです!今回は

・矩形波のフーリエ級数展開が分からないよ~(泣)

・そもそも矩形波ってなんやねん!

・不連続な関数でもフーリエ級数展開できるのか知りたい!

という方たちに向けて、「矩形波のフーリエ級数展開」「不連続な関数のフーリエ級数展開」について解説していきます。

フーリエ級数展開の理解が微妙だなという方は以下の記事をご覧ください。「フーリエ級数展開の概要を手っ取り早く知りたい!」という方にピッタリです。

フーリエ級数展開

フーリエ級数展開の概要をサクッと解説!【なんとなく学ぶフーリエ解析】

この記事のまとめ

矩形波 = ある値からある値に周期的に変化する波

・不連続な関数は、フーリエ級数展開は可能だが、不連続点においては元の関数と同じにはならない。

・不連続な関数のフーリエ級数のグラフにはギブズ現象が発生する

矩形波(くけいは)とは?

矩形波は「ある値からある値に周期的に変化する波」のことであり、次のグラフのようなものです。

この矩形波は次のような関数を拡張したものです。

$$\begin{eqnarray} f(x) = \begin{cases} 1 & ( -\pi \leq x \lt 0 ) \\ 0 & ( 0 \leq x \lt \pi ) \end{cases} \end{eqnarray}$$

拡張とは?

ここでの「拡張」とは、「$-\pi$から$\pi$で定義された関数を周期的に繰り返すことで、周期$2π$の関数に見せかける」ことです。

フーリエ級数展開は周期的な関数でしか使えないので、今回の関数$f(x)$のように、それ単体だと周期的ではないけど、同じ関数を何度も繰り返せば周期関数になるようなときに「拡張」が使われます。

「拡張したら元の関数とは違うものになるじゃん!」と思うと思いますが、フーリエ級数展開の目的は「元の関数のグラフを三角関数の和のグラフで表すこと」であり、「拡張した関数のグラフを三角関数の和のグラフで表すこと」が出来れば、その一部分に元の関数は含まれているので、この目的は満たされているはずですよね。だから拡張しても良いのです。

さて、ここで皆さんこう思いませんか?

不連続な関数をフーリエ級数展開することなんて出来るの?

これについて次のようなことが言えます。

MEMO
不連続な関数は、フーリエ級数に展開することはできるが、元の関数のグラフと同じにはならない。

もう少し詳しく解説します。

先生
先生

不連続な関数のフーリエ級数展開

不連続な関数をフーリエ級数に展開するときに問題なのは、「不連続な部分はどうなるか?」ということです。

三角関数を足し合わせていったら不連続な関数が出来たぞ!

なんてことは、ガンジーでも助走つけて殴るレベルの話です。だから、フーリエ級数展開の結果が不連続な関数になることはあり得ません

では、どうなるのか?先に矩形波をフーリエ級数展開した結果のグラフを見てみましょう。以下の図がそのグラフです。

元の関数のグラフは$0$と$1$で線が離れていましたが、このグラフは間がで繋がってしまっています。実はこの線は全て、$y=0.5$で各軸線と交わっているのです。

これは偶然ではなく、不連続な点$x$においてはフーリエ級数が次の値に収束することが分かっているのです。

$$\frac{xの右側極限+xの左側極限}{2}$$

だから、今回の例で言えば、$x=0$において、右側極限は$0$、左側極限は$1$なので、$\frac{0+1}{2} = 0.5$となるわけです。

くるる
くるる

結局、不連続な部分には目をつむれってことなんすか?

まぁそういうことです。

先生
先生

そして、「不連続な関数でもフーリエ級数で表すことができる」と言っても、さすがにどんな不連続な関数でもできるわけではなく、「区分的に滑らか」という条件を満たさないといけません。

区分的に滑らか

関数$f(x)$が区分的に連続(不連続の点が有限個かつ各点の値が無限大にならない)で、導関数$f'(x)$も区分的に連続であること

この条件を満たすような不連続な関数は、「不連続な点を除けばフーリエ級数で表すことが出来る」ってことです。ここはサラッと流してくれて構いません。

矩形波のフーリエ級数展開

では、実際に矩形波のフーリエ級数展開を解説していきます。関数は次の関数を周期的に拡張したものでした。

$$\begin{eqnarray} f(x) = \begin{cases} 1 & ( -\pi \leq x \lt 0 ) \\ 0 & ( 0 \leq x \lt \pi ) \end{cases} \end{eqnarray}$$

フーリエ級数展開をするには、まずフーリエ係数を求めなければなりません。フーリエ係数の公式は次の図の通りです。

また、$a_0$の公式は次の通りです。これは厳密にはフーリエ係数ではないので、分けておきました。

$$a_0 = \frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x) dx$$

フーリエ係数について理解が微妙な方はぜひ以下の記事をご覧ください。多くの方が疑問に思うところも分かりやすく解説してあります。

フーリエ係数

フーリエ係数とは何なのか?求め方を徹底解説!【なんとなく学ぶフーリエ解析】

ステップ1 フーリエ係数を求める

それではフーリエ係数を求めていきましょう。まずは$a_0$から

$$\begin{eqnarray} a_0 &=& \frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x) dx \\ &=& \frac{1}{\pi} (\int_{-\pi}^0 1 dx + \int_{0}^\pi 0 dx ) \\ &=& \frac{1}{\pi} \left[ x \right]_{-\pi}^0 \\ &=& 1 \end{eqnarray}$$

次は$a_n$です。

$$\begin{eqnarray} a_n &=& \frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x)cosnx dx \\ &=& \frac{1}{\pi} \int_{-\pi}^0 cosnx dx \\ &=& \frac{1}{\pi} \left[ \frac{sinnx}{n} \right]_{-\pi}^0 \\ &=& 0 \end{eqnarray}$$

最後に$b_n$を求めましょう。

$$\begin{eqnarray} b_n &=& \frac{1}{\pi}\int_{-\pi}^\pi f(x)sinnx dx \\ &=& \frac{1}{\pi} \int_{-\pi}^0 sinnx dx \\ &=& \frac{1}{\pi} \left[ \frac{-cosnx}{n} \right]_{-\pi}^0 \\ &=& \frac{1}{\pi} \frac{-1+cosn\pi}{n} \\ &=& \frac{-1+cosn\pi}{n\pi} \\ &=& \frac{-1+(-1)^n}{n\pi} \quad (cosn\pi = (-1)^nより)\\ &=& \begin{cases} 0 & ( nが偶数のとき ) \\ -\frac{2}{n\pi} & ( nが奇数のとき ) \end{cases} \end{eqnarray}$$

ステップ2 フーリエ級数の一般式に当てはめる

フーリエ係数が求まったので、フーリエ級数の一般式に当てはめましょう。フーリエ級数の一般式は次のようなものでした。

この式に先ほど求めたフーリエ係数を当てはめましょう。

$$\begin{eqnarray} f(x) &=& \frac{1}{2} + \displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{-1+(-1)^n}{n\pi} sinnx \\ &=& \frac{1}{2} -\frac{2}{n\pi} (sinx+\frac{1}{3}sin3x+{1}{5}sin5x+ \cdots) \end{eqnarray}$$

これで矩形波のフーリエ級数展開は完了です。

グラフを見てみよう

フーリエ級数展開した式が実際にどのようなグラフになるのか見てみましょう。フーリエ級数は項数が無限なので、項数$n$を$n=5, n=20,n=150$としたときのグラフを用意しました。

確かに不連続点以外では元の関数と同じグラフになっていますね。

ポンタ
ポンタ

不連続点で上下に飛び出してるのは何なの?

ギブズ現象と呼ばれるもので、一般的に不連続点ではこの現象が発生します。

先生
先生

まとめ

今回の内容を簡単にまとめました。不連続な関数でのフーリエ級数展開は理解するのが難しいですが、頑張りましょう!

・矩形波 = ある値からある値に周期的に変化する波

・不連続な関数は、フーリエ級数展開は可能だが、不連続点においては元の関数と同じにはならない。

・不連続な関数のフーリエ級数のグラフにはギブズ現象が発生する

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