実効値

実効値
実効値・・・ある電気抵抗に交流電圧を加えた場合の1周期における平均電力と、同じ抵抗に直流電圧を加えた場合の電力が, 互いに等しくなるときの直流電圧の値。(Wikipedia)
くるる
くるる

何だかよくわかんないっす

説明しよう

今、図のような交流回路中の抵抗Rにおける電力を求めたい。

ふむ、困りましたねぇ。電圧と電流が時間変化しているので、直流のように$P = VI$では電力を求めることが出来ませんよ。

先生
先生

そのため、時間0~Tにおける平均電力を積分で求めるしかありません。交流電圧を$V=V_{m}\frac{sin2π}{T}t$、電流を$I=I_{m}\frac{sin2π}{T}t$として計算してみると、

$P_{交流} = \frac{1}{T}\int_0^T VI dt = \frac{V_{m}I_{m}}{T}\int_0^T (sin\frac{2π}{T}t)^2 dt$

  = $\frac{V_{m}I_{m}}{T}\int_0^T (1-cos\frac{4π}{T}t) dt=\frac{V_{m}I_{m} }{2}$

というように求まるのですが、直流と交流で式の形が違うため何だか分かりずらく、同じ形になってくれた方がありがたいです。

そこで考えられたのが実効値です。

電圧と電流の実効値を$V_{0}$、$I_{0}$とすると、$ V_{0}=\frac{V_{m}}{\sqrt{2}} $、$ I_{0}=\frac{I_{m}}{\sqrt{2}} $でしたから、$P_{交流} = V_{0}I_{0}$となり、直流の式と同じ見た目になりました。

つまり、実効値は交流の電力の式を直流の電力の式と同じ形にするための値というわけです。

$P = V_{0}I_{0}$という式が意味するもの

これは簡単な話で、Pは電圧$V_{0}$、電流$I_{0}$の直流回路の電力と同じです。つまり、下図のような変換が行われたというイメージです。

今回のポイント

・実効値は交流の電力の式を直流の電力の式と同じ形にするための値だよ

・実効値を使うことで、交流回路を直流回路に変換するイメージだよ

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