Q値の「意味」や「何に使われるのか」を詳しく解説!

くるる
くるる

名前は知ってるっすけど、結局何を表しているものなのか全然わかんないっす

今回のポイント
・Q値はコイルやコンデンサーの性能の良さを表すよ

・Q値を大きくするには、コイルやコンデンサーの抵抗を小さくすればいいよ

フィルターの性能の良さも表しているよ

簡単に言うと

まず、Q値とは「Quality factor」の頭文字をとったもので、日本語では「品質係数」という意味になります。

分かりやすく言うと、Q値は「コイルやコンデンサの性能の良さ」を表します。

つまり、Q値が大きくなればなるほど、コイルやコンデンサの性能が良いということになります。

ポンタ
ポンタ

じゃあ、Q値を大きくするにはどうすればいいんだろう?

Q値を大きくしたいならば、コイルやコンデンサーの内部抵抗を小さくしなければなりません

さて、コイルやコンデンサーの内部抵抗とは一体何でしょうか?

コイルやコンデンサーは「熱が発生しない」というのが理想ですが、現実ではそううまくはいきません。

図のように抵抗が生じてしまい、抵抗によって少なからず熱が発生してしまいます。

この抵抗こそが、コイルやコンデンサーの内部抵抗です。

つまり、Qを大きくするにはこの抵抗を小さくすればいいのです。

詳しく言うと

RLC直列回路のQ値

先ほどのコイルやコンデンサーは特定の周波数の信号だけを取り出すためのフィルターとして使われます。(なぜフィルターになるのかは「共振の鋭さ」で解説しています。)

そのために、先ほどの$L$と$C$を直列で繋いでLC直列回路を作り、抵抗部分を1つにまとめて直列に繋ぎます。

こうしてできるのが、あの有名なRLC直列共振回路です。これがフィルターとして使われます。

ここで以下のことをよく覚えておいてください!

RLC直列共振回路のRはLとCの内部抵抗を足し合わせたもの

適当な抵抗を繋げたのではなく、$L$と$C$から与えられたものだということを理解してください。

このRLC直列共振回路のQ値について考えてみましょう。

RLC直列共振回路のQ値は$Q = \frac{1}{R}\sqrt{\frac{L}{C}}$で表されることはご存じだと思います。(これは定義ですので深く考えないでください。)

この関係式より、QとRには反比例の関係があることが分かります。これは先ほど言った、「Qを大きくするには抵抗を小さくすればいい」という話とも辻褄があっています。

そして、今までQ値を大きくすれば、コイルやコンデンサーの性能が良くなると言ってきました。それと同様にこのフィルターにおいてもQ値を大きくすれば、フィルターの性能が良くなるのです。

くるる
くるる

つまり、「Rを小さくする」⇒「Q値が大きくなる」=「フィルターの性能が良くなる」ってことっすね!

つまずきポイント

ポンタ
ポンタ

$Q = \frac{1}{R}\sqrt{\frac{L}{C}}$の$L$や$C$は関係ないの?

$L$や$C$をいくら変えようが、$R$が変わるわけではないのです。$R$は材料などの様々な要因によるものです。

Q値は$R$と関係があるのですから、$L$や$C$を変える必要はありませんよね?そのため、今は$L$と$C$の値は一定の値に固定されています。

以上がQ値の説明になります。「共振曲線とは何か?簡単に解説します!」では、共振の鋭さとQ値の関係を説明していますのでぜひご覧ください。

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