4次の行列式の解き方を簡単に解説!

4次の行列式の解き方

こんにちは、krです。今回は「4次の行列式の解き方」を簡単に説明します。

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余因子展開

結論ですが、4次の行列式は「余因子展開」というものを使って解きます。(行列式とは?

余因子展開は簡単に言えば「行列式を1次下げてくれるもの」です。

余因子展開は次のような流れです

先生
先生
余因子展開の流れ

① 基準となる列を決める

② それぞれの数字に注目し、十字方向の数字を消す

③ 注目している数字が$i$行$j$列のとき、「注目している数字×$(-1)^{i+j}$×残っている数字で作った行列式」を計算する

④ 基準の列の全ての数字で②、③を行い、足し合わせる

例えば、$\begin{vmatrix} 3 & 5 & 4 \\ 2 & 1 & 2 \\ 3 & 0 & 7 \end{vmatrix}$を余因子展開で解く場合次のようになります。今回は1列目を基準としています。

そして、それぞれを足し合わせれば「余因子展開」の完成です。

3次の行列式が2次の行列式の和に変換されており、余因子展開は「行列式を1次下げてくれるもの」といった意味が分かると思います。

ちなみに、以下のように各部分に名前が付いており、「余因子の和に展開する」から「余因子展開」というのです。

小行列式と余因子

以上が余因子展開の説明になります。

先生
先生
くるる
くるる

なんとなく分かったっす!

余因子展開は以下の記事で更に詳しく説明しているので、良かったらご覧ください。

余因子展開

4次の行列式を解いてみる

それでは実際に次の4次の行列式を余因子展開で解いてみましょう。

$$\begin{vmatrix} 2 & 1 & 5 & 3 \\ 3 & 0 & 1 & 6 \\ 1 & 4 & 3 & 3 \\ 8 & 2 & 0 & 1 \end{vmatrix}$$

【ステップ1】余因子展開

2列目に$0$があるので、2列目を基準に余因子展開しましょう。以下のように、それぞれの「係数×余因子」を求めます。

そして、足し合わせると、

【ステップ2】3次の行列式をサラスの方法で解く

4次の行列式が3次の行列式の和になったので、「サラスの方法」を使って解くことが出来ます!

サラスの方法は図のような「+の成分と-の成分」を計算して、足し合わせる方法でした。

サラスの方法の説明

サラスの方法で先ほどの3次の行列式を解くと次のようになります。

よって、次のような結果になります。

これが4次の行列式の解き方です。理解できたでしょうか?

先生
先生

5次以降の行列式も同じように「3次の行列式になるまで余因子展開をする」ことで計算できます。

まとめ

今回は「4次の行列式の解き方」を説明しました。

テストでは2次や3次の行列式といった基本的なものはあまり問われず、4次や5次の行列式を解く問題が出ると思いますので、必ず解けるようにしておきましょう!

余因子展開
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