行列式とは?分かりやすく解説します!

くるる
くるる

ああああ!!行列式が全然分かんないっす!!!

僕も全く理解できないや。。。

ポンタ
ポンタ

今回はそんな線形代数の中で、恐らくトップレベルに意味の分からない「行列式」について解説していくよ!

行列式とは?

行列式は何のために導入されたのか?

まず、そもそも行列式とは何なのか。なぜこんなものが導入されたのかについて説明します。

行列式は元々「連立方程式の解が存在するかを判定するための道具」として導入されました。(※所説あり)

例えば、次のような2元連立1次方程式を考えましょう。

$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} a_{11}x_{1} + a_{12}x_{2} = b_{1} \\ a_{21}x_{1} + a_{22}x_{2} = b_{2} \end{array} \right. \end{eqnarray}$$

行列で表すと次のようになります。

$$\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} b_{1} \\ b_{2} \end{pmatrix}$$

この連立方程式の解は次のような式で与えられます。

$$ x_{1} = \frac{b_{1}a_{22}-a_{12}b_{2}}{a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21}}$$
$$ x_{2} = \frac{a_{11}b_{2}-b_{1}a_{21}}{a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21}}$$

でも、分母は$0$じゃダメなので、「$a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21} \neq 0$」という条件が必要です。連立方程式が解を持つにはこの条件を満たさないといけません。

そしたら、この分母の式って連立方程式が解を持つかどうかを判定できる重要な式なので、新たに「行列式」という特別な名前を付けることにしましょう。

だから、行列式の実態は「連立方程式の解の分母」であり、「連立方程式の解が存在するかを判定するための道具」なのです。

くるる
くるる

ふむふむ

この分母の計算方法さえ覚えていれば、連立方程式が解を持つかどうかを簡単に判定できるわけですが、結構覚えにくい式ですよね。

2元連立1次方程式ならまだ覚えれますが、3元連立1次方程式の場合、$x_{1}$は、

という式になってしまい、覚えるのが大変です。

そこで、2元連立1次方程式の場合、行列式を以下のように行列のようなもので表記することにします。

そして、これは次のようにクロスして計算するものだと考えるのです。

2次の行列式の計算方法

これなら、覚えるのも簡単ですよね。

3元連立1次方程式の場合も、同じような表記をします。

でも、2元のときと違って計算方法が面倒くさくて、以下のように「+の成分を計算して、-の成分を引く」って感じの計算をします。

サラスの方法の説明

まぁ面倒くさいんですけど、そのまま覚えるよりかは、この覚え方のほうが忘れにくいし、間違いにくいですよね?ちなみにこの計算方法を「サラスの方法」といいます。

4元連立1次方程式以上の場合は、「余因子展開」というものを使って、もっと面倒くさい計算をするのですが、ここでは説明しません。

行列式の求め方については「行列式の求め方をわかりやすく解説!」でもう少し詳しく解説しているので、気になる方はどうぞ。

ここまでを簡単にまとめると

連立方程式の解の分母によって「連立方程式の解が存在するかどうか」を判定できる


→重要な式だから「行列式」と名付けよう


→そのままじゃ覚えにくいから、行列っぽくまとめて、それからうまく導ける計算方法を考えよう

→2×2行列式の「クロスして計算する方法」や3×3行列式の「サラスの方法」が編み出される

行列式は大きさを持った「値」である

「$a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21}$が行列式だ!」なんて言ったので、こういう「式」が行列式なのだと思っているかもしれませんが、そうではなくて、この式を計算して得られる「」が行列式なのです。

例えば、以下のような連立方程式の場合、

$$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 2x_{1} + 3x_{2} = 1 \\ -x_{1} + 2x_{2} = 2 \end{array} \right. \end{eqnarray}$$

行列式は次のように計算でき、最後の「$\color{red}{7}$」が行列式です。その前の$2 \times 2 -3 \times (-1)$じゃありません。

行列と行列式

行列式を

$$\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{vmatrix}$$

と書くと決めましたが、そもそも何でこんな形にしたかというと、元の連立方程式の係数行列が

$$\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{pmatrix}$$

であり、「${a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21}}$」という解の分母の式がこの行列の成分だけで構成されており、係数行列から分母の式を導ける方法があれば便利だと考えたからです。

でも、そのままだと、行列と行列式が同じ表記になっちゃうので、括弧をまっすぐの棒に変えたものを「行列式」と呼ぶことにしたのです。

ここで、ある係数行列$A$に対する行列式を$\color{red}{det(A)}$と表記することにしましょう。detはdeterminant(行列式)の略です。

つまり、以下のようになるわけです。

$$A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{pmatrix}$$
$$det(A)=\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{vmatrix}$$

行列式の一般的な定義を説明します!

先生
先生

行列式の定義

最初らへんで説明したとおり、行列式は元々「連立方程式の解の分母」でした。

すなわち、行列式の定義というのは「一般の連立方程式の解の分母」の定義と同じなわけです。定義は次のような式で表されます。

行列式の定義

$$det(A) = \displaystyle \sum_{\sigma \in S_{n}} sgn(\sigma)a_{1 \sigma(1)} a_{2 \sigma(2)} \cdots a_{n \sigma(n)}$$

見慣れない記号がたくさん並んでいますが、行列式の定義には「置換」という概念が使われています。

概念自体は面倒くさいですが、この式が言ってることは簡単です。

例えば、$n=2$のとき

という式になります。これは2元連立1次方程式の解の分母ですよね。

また、$n=3$のとき、

という式になり、これは3元連立1次方程式の解の分母です。

ポンタ
ポンタ

だから、行列式の定義は「一般の連立方程式の解の分母」を式で表してるだけってことですね!

その通り!そのため、行列式の定義の意味自体は全く難しくありません!

先生
先生

行列式の定義の式の意味などは以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

行列式の定義

行列式は役に立つ

元々「連立方程式の解が存在するかを判定するための道具」でしかなかった行列式ですが、調べてみると色んなことに役立つことが分かったのです。今回は行列式が役立つ例を2つ紹介します。

クラメルの公式

2元連立1次方程式の解は次のようなものでした。

$$ x_{1} = \frac{b_{1}a_{22}-a_{12}b_{2}}{a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21}}$$
$$ x_{2} = \frac{a_{11}b_{2}-b_{1}a_{21}}{a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21}}$$

分母の式は$\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{vmatrix}$と表せますが、この書き方を分子にも適用させると、次のように書き表せることが分かります。

$$ x_{1} = \frac{\begin{vmatrix} b_{1} & a_{12} \\ b_{2} & a_{22} \end{vmatrix}}{\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{vmatrix}}$$
$$ x_{2} = \frac{\begin{vmatrix} a_{11} & b_{1} \\ a_{21} & b_{2} \end{vmatrix}}{\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{vmatrix}}$$

これを「クラメルの公式」といい、行列式を解くだけで連立方程式が解けるという公式です。

クラメルの公式

逆行列を求めることができる

逆行列ってのは「対象の行列に掛けたら単位行列になる行列」です。

例えば、行列$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{pmatrix}$の逆行列は$\begin{vmatrix} -2 & 1 \\ \frac{3}{2} & -\frac{1}{2} \end{vmatrix}$です。実際、

$$\begin{vmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{vmatrix} \begin{vmatrix} -2 & 1 \\ \frac{3}{2} & -\frac{1}{2} \end{vmatrix} = \begin{vmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{vmatrix}$$

となり、逆行列であることが確認できます。

そして、行列式を習うまでは、逆行列を求めるには「逆行列の求め方&求まる理由【掃き出し法編】」で説明している「掃き出し法」を使うしかありませんでしたが、行列式を使えば、次のような式で求めることが出来るようになるのです。

逆行列を求める公式

$$A^{-1}=\frac{\tilde{A}}{det(A)}$$

$\tilde{A}$は「余因子行列」というやつです。

この公式については「逆行列の求め方【行列式編】」で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

行列式という概念はこんな風に色々なことに役立つのです!

先生
先生

まとめ

今回は「行列式とは何か?」について順を追って解説しました。

行列式は意味をきちんと理解するのは非常に難しいですが、どういうところで使われていて、どういう計算をするのかは理解しておくようにしましょう。

以下の記事もおすすめなので、ぜひご覧ください。

行列式の性質

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