
ああああ!!行列式が全然分かんないっす!!!
私も全く理解できませんよ。。。

今回はそんな線形代数の中で、恐らくトップレベルに意味の分からない「行列式」について解説していくよ!
行列式って何?
行列と行列式の違い
いきなり行列式の説明をしても頭が混乱すると思うので、まずは行列と行列式の違いについてお話しましょう。
さて、行列式とは例えば次のようなものです。
$$\begin{vmatrix} 1 &0 & 3 \\ 2 & 1 & 4 \\ 0 & 6 & 2 \end{vmatrix}$$
うん。多分皆さん最初に行列式を見た時こう思いましたよね?
何だこれ?行列と一緒か??

そう。行列式は見た目だけなら行列と瓜二つなんです。これには当時の僕も面食らってしまいましたよ。だってどう見ても行列じゃないですか。
でも、どうやらこれは行列ではなくて「行列式」っていうものらしいんですよね。そこで、行列と行列式の見た目的な違いと意味的な違いについて説明していこうと思います!
見た目的な違い
まずは、行列と行列を見ただけで見分けるポイントがあります!それはこれです!

これ恐らく例外はありません。少なくとも線形代数の教科書なら行列式は絶対直線の括弧を使っているはずです。
ただ、基本的には文脈で行列なのか行列式なのか分かるようになっているはずなので、行列式を行列っぽく書いたからと言って、間違いになるかというとそうでもないと思います。
意味的な違い
実は行列式って行列から生み出されているものなんですよね。だから全くの無関係ってわけではなく、行列と行列式には「親子」の関係があるんです。

親子だと数学っぽくないので、それっぽく言うと、行列式は行列の「性質」みたいなものです。
行列式は行列の「性質」を表す!
もっと詳しく言うと、行列式は「行列の線形変換の倍率」という良く分からないものだったりします。
この記事ではそこまで深堀りはしませんが、気になった方はこちらの鯵坂もっちょさんの「線形代数の知識ゼロから始めて行列式「だけ」を理解する」の記事をご覧ください!
行列式の値の求め方
行列式の値の求め方はかなり特殊です。ちゃんとした理由はあるにはあるのですが、習いたての頃は「こういうもんなんだ」と思うしかありません。もし理由が気になるならこちらの「行列式の定義」の記事をご覧ください。
あと、注意してほしいのですが、行列式は何次の行列式かによって計算方法が全く異なります。なので、それぞれに対応した計算方法を覚えなくてはなりません。
二次行列式
2行2列の行列式のことを「二次行列式」といいます。二次行列式は以下の図のように、クロスするような計算をします。

つまり,下図のような計算をするわけです。

なぜこんな求め方なのか疑問に思う方もいるかもしれませんが、とりあえずやり方を覚えましょう。
三次行列式
三次行列式は少し厄介です。三次行列式を解く方法として、サラスの方法というものがあります。例えば、図のような三次行列式を考えましょう。
\begin{vmatrix} 1 & 1 & 1 \\ 2 & 2 & 2 \\ 3 & 3 & 3 \end{vmatrix}
サラスの方法はまず以下の図のように+成分と-成分を計算をします。

そして、+成分と-成分を足し合わせます。すると、
$$\begin{vmatrix} 1 & 1 & 1\\ 2 & 2 & 2\\ 3 & 3 & 3 \end{vmatrix} = 18 – 18 = 0$$
となり、この行列式は0ということが分かりました。
これが三次行列式の計算方法で、サラスの方法といわれているやつです。かなり面倒くさい計算ですよね?
この章の最初に言った通り、こんな求め方をするのにはちゃんと理由があります。でも最初からそれを理解するのは難しいので、今はとりあえず覚えるしかないのです…..
四次以降の行列式の計算方法
四次以降の行列式は、二次や三次行列式のような公式的なものはありません。あったとしても項数が24個になるので、中々覚えるのも大変です。
ではどうやって解くかというと、「余因子展開」という手法を使うのです。簡単に言うと、「四次行列式を三次行列の和に変換し、その三次行列式をサラスの方法で解く」といった感じです。
この余因子展開を使えば、五次行列式でも六次行列式でも求めることが出来ます。(めちゃくちゃ大変ですけどね)
余因子展開について詳しく知りたい方はこちらの「余因子展開のやり方を分かりやすく解説!」の記事をご覧ください。
- 括弧が直線なら「行列式」、直線じゃないなら「行列」
- 行列式は行列の「性質」を表す
- 二次行列式、三次行列式には特殊な求め方がある
- 四次以降の行列式は「余因子展開」で解く
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