こんにちは、くるです。今回は「正則行列」について簡潔に解説します。
正則行列とは?
正則行列とは「逆行列を持つ行列」です。
このとき、行列$A$は逆行列を持つので、「正則行列」です。
逆行列について詳しく知りたい方は「逆行列の求め方&求まる理由【掃き出し法編】」をご覧ください。
また、正方行列は「行と列の数が同じ行列」なので、正則行列とは全く異なります。混同しがちなので注意しましょう。

そもそも正則ってどういう意味なんすか?
説明しましょう!

そもそも正則って?
正則は「正しい規則に従っている」というような意味があります。
規則とは「ある概念に付ける特別な条件」のことで、正則行列の場合、「逆行列を持つ」というのが規則ですね。
では、なぜ規則を付けるのかというと、理論構築が容易になるからです。逆行列を持つという特別な条件下で理論を考えることで、さまざまな定理や公式が発見しやすくなるんですね。
「正則」という概念は線形代数以外の分野でも使われており、分野ごとに規則が異なり意味が変わるので、注意しましょう。

なるほどっす~!
同値な条件
「逆行列を持つ」のが正則行列になるための条件ですが、実は他にも正則行列であるといえる同値な条件がいくつかあるんです。
$n \times n$正方行列$A$において、
逆行列を持つ $\Leftrightarrow rank(A)=n$ $\Leftrightarrow det(A) \neq 0$
他にも色々同値な条件はありますが、とりあえず上の3つを覚えておけば大丈夫でしょう。
まとめ
今回は「正則行列」について簡単に解説しました。
正則行列は実態は良く分からないものの、色んな場面で登場する概念なので、どういう条件を満たしていれば正則行列となるのかだけは最低でも知っておきましょう。
ある正方行列$A$に対し、次のような式を満たす正方行列$B$が存在するとき、
$$AB=BA=E$$
行列$B$を行列$A$の逆行列という。$E$は単位行列である。